2008年11月19日水曜日


11月度安全管理集会

1. 安全対策について
①工事現場で、「安全第一」の標語をよく見かけます。「安全第一」とは、仕事をする場合に、先ず安全を一番目に考えるということです。
②安全対策の向上のため、月に一度定期的に関係者が集まり、安全対策の学習とヒヤリハットを集計し、意識啓蒙につなげて行きたい。
③今回のテーマは、事故と安全について解説し、いくつかの建設プロジェクトで実行した安全対策を紹介します。

2. 安全の重要性
①死亡すればそれで一生を終わり、家族は生活に困り、親戚も迷惑します。負傷で済んでも痛い目に会うだけでなく一生後遺症に悩まされ、周囲に迷惑を掛けます。しかも同じ仕事に就けず、収入も減少します。
②工事中に事故が発生すると、工事は直ちに中止されます。再開後も交代要員の手配や工事遅れのため現場に大きな影響を残します。雇い主は治療費、入院費、補償費を支払い、破損した設備や機械も修理します。
③工事を発注したお客にとって、重大事故は名誉なことではありません。発注者としての責任を問われ、社会的な制裁を受けることもあります。
④工事を請け負った工事管理者は責任を問われ、報告書を役所に提出します。責任者は処罰を受けるだけでなく、今後のビジネス活動に重大な支障を来たします。

3. 安全の三要素(事故の三原因)
①物(施設、道具)、人(行動)および組織(管理)を安全の三要素と言います。
②安全な施設上で安全な行動をすれば、事故は起きません。
③無災害の状況を実現するには、物と人を組織が一体となり取組むことが重要です。

4. 事故の原因
①不安全な状態の物と不安全な行動をする人が出会うことにより災害が発生します。
②現場から不安全な部分を取り去れば、災害の82%がなくなります。
③作業員が不安全な行動を止めれば、災害の94%がなくなります。
④施設から不安全部分を取り去り、作業員が不安全な行動を止めれば災害の99%はなくなります。
⑤不安全な物と人が存在するのは、作業員自体の問題だけでなく、組織にも欠陥があり、管理が機能していないからです。

5. ハインリッヒの法則
①Heinrichは、半世紀に渡る55万件の災害データを調査し、左図に示す、いわゆるHeinrichの「300:29:1」法則を1931年に発表しました。死亡を含む重大災害が1件発生する場合、その陰には29件の軽傷の事故が起きており、更に300件の潜在的な事故、いあゆるヒヤリ・ハット(ニアミス)事故が発生していると言います。またニアミスを含む全ての事故の88%は不安全な行動、10%が不安全な設備によるとしています。
②次の図は、米国の保険会社のH.W.Heinrichのドミノ理論を示します。A図において、
(1)社会的または家庭的欠陥、
(2)個人的欠陥、
(3)不安全な状態または行動、
(4)事故、
(5)災害を表します。いずれかが倒れると、B図のようにドミノの連鎖反応が起こり、災害になります。C図のように、(3)不安全な状態か行動を取り去れば事故は発生しません。

6. 不安全な行動
①作業員はPPE(自分の身を守る装備)を身に着けます。不安全な行動はPPEの無視に始まります。
②不安全な行動を矯正するには、安全指導員が絶えず現場パトロールをして指導します。
③作業者が不安全であることを知らずに不安全な行動を行うのは教育、訓練を徹底すれば解決できます。問題は、してはならないことを知っていながら行う場合です。
④職場全体の雰囲気として規則が守られず、自分だけ守るのは格好が悪いと思う。これは、全員が納得して規則を守る企業風土を作るしか方法はありません。例えば、規則違反時の危険を分かり易く説明する、さらに、危険物については消火訓練、安全帯についてはモデルの墜落実験、安全眼鏡については眼帯着用の歩行実験を行うなど具体的な教育を行います。
⑤手元の工具で間に合わせたい、遠回りは面倒だ、安全帯を使うのは面倒だ、と目先のことだけを考え、手を抜く場合があります。定められた規則や手順を省略(近道本能と言う)して得られる利益よりも、手抜き事故の損失の方が極度に大きいことを考えさせる訓練が必要です。KYT(危険予知訓練)はその一法です。

2008年10月7日火曜日

脚立とはしごの事故防止事項!

10月度月例ミーティング全体集会

●「脚立」の事故防止ポイント
①天板にたたない
②身体を乗り出さない
③脚立にまたがらない
④開き止めを必ず掛ける
⑤手荷物を持ったまま昇降しない
⑥平らな場所で使用する
⑦はしごで使用する際は表裏を間違わない

●「はしご」の事故防止ポイント
①片手で上らない。荷物はショルダーで!
②重い荷物は分けて運ぶ
③はしごの固定
 揺らぎ、傾き、ズレの確認
④頭上電線、電話線、光ケーブル線などを
 切断しないように、頭上後方をよく確認
⑤強風時は使用を控える
⑥車庫など狭い通路は破損に注意!

各自ヒヤリ、ハットの確認。